2013/05/05

<ส.ว.ผู้รักชาติ>


<愛国上院議員>

タイの上院任命議員73人の大部分がクーデター体制を受け継ぐ反タクシン勢力と考えていいだろう。4月下旬に閉会した国会の立法定例会期では条項ごとの憲法改正法が第一読会を通過している。大まかに3部に分かれた改正法には111条の改正があり、上院はすべてが選挙で議員が選ばれることになり任命議員は消失してしまう。議員特権というタイの一般の国民から考えれば優遇されすぎと思われるほどの特権を失うことを恐れる任命議員は与党に対する反撃策を考えているのは当然だろう。そして起こったのがインラック首相のモンゴルにおける演説で任命議員は"ส.ว.ผู้รักชาติ"という愛国上院議員グループを58人で立ちあげインラック首相の演説は真実を歪め国に被害をもたらしたとして国民に謝罪すべきであるとした上に次の上院委員会に呼び出し究明するということである。外交委員会、宗教・道徳・倫理・芸術・文化委員会、人権・権利自由・消費者保護委員会、汚職問題教育・審査・グッドガバナンス促進委員会というたいそうな名前の委員会ばかりであるが上院任命は各種職業の有識者から選ばれるので、このような名前の委員会が成立して運営していけるのだろう。

問題は愛国上院議員グループが揮発油のように可燃性が高い愛国というグループ名をつけたことだろう。愛郷心や愛国心は村民であり国民である誰もが持っている自然の感情で眠っているものである。わざわざ愛国という言葉で旗を立てるのは、旗のもとに人を集め敵を作り反愛国・売国という烙印を押し攻撃するという古くからある手段であると思う。愛国主義が旗を立てる時はスケープゴートを国内か国外で作り上げ攻撃をして勢力を増やして自陣が有利にたつようにするのだろう。

インラック首相が海外において自国の問題をさらけ出したことについて亡命政権の首相のようだという批判があるが、それはこの国のクーデターの歴史を見ていないからではっきり言って今のところクーデターを防ぐ方法は国内にはないだろう。そしてクーデターが国民のためでなく一部の特権階級の権利を守るために起こっているということを理解するべきである。首相は亡命政権では決してない、だが亡命政権にならないために演説をあえてしたとは考えられないだろうか。クーデターのことを海外で話したことを国の恥だと思う人は、一部のクーデターを正義だと思っている人たちで国民はそうは思っていないだろう。


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