<国民投票>
2012年8月1日に通常国会が開催される。この間にマスコミで話題になっているのは前回の国会で議論された憲法改正のことで、第3読会の決議まで行ったが憲法裁判所から横槍が入って止まったままになっている第3読会の決議を続けるのか、それとも憲法裁判所の提案である国民投票をやってから決議をするのか、もしくはこれも憲法裁判所の提案である憲法の条項ごとに国会で討論して改正していくのか政府はまだ判断していない状況である。国会における憲法の条項ごとによる改正となると憲法草案議会を作って新しい国民憲法を作るとしていたプアタイ党そして政府の公約は達せられなくなるわけであるが、今の状況を判断すると政府は国民の生活向上と国の前進に向けた政策を推進していくには慎重にならざるを得ず、結果としては国民からは後退しているように思われるかもしれないが、国民の未来を握っているのはインラック政権で野党民主党また憲法裁判所は反対するだけで何らの決定権がないのははっきりとしている。
さて憲法裁判所を始めとして2550年のクーデター憲法を死守しようとしている勢力が主張する、この憲法は国民投票を経た憲法で全面改正には国民投票を行なって国民の意志を問うべきであるという意見であるが、この国民投票がクーデターで布告された戒厳令が全国の半分近くになる35県で続いていたことに見られるように軍の監視下というか銃のもとで行われた国民投票でありボイコット呼びかけるいかなる行為も法律により禁止されたいてという事実を隠して2550年憲法の正当性を主張するのはごまかし以外に何者でもないという気がする。国民投票結果の数字を見るとぎりぎりで通ったという気がする。また地図にある各県における賛成と反対は緑が濃くなるほど賛成で赤が濃くなるほど反対である。地図をよく見ていると気づくのは深南部3県は薄い緑で南部中部は濃い緑になりクーデター憲法を支持した民主党の影響力が南部中部で強いということがわかる。また北部と東北部で反対である赤色になっていくのは、この時期はまだノーポーチョーを中心とした赤服集団はそれほど組織化されていないのでクーデターに反対するタクシン派だと思っていいだろう。そして注目すべきは東北部にあるナコンラチャシマーとブリラムが薄い緑で賛成票が多かったということである。はっきり言って人口の多いこの2県がクーデターに反対していたら国民投票は逆転していただろう。
2550年8月20日の国民投票結果