2011/07/29

<カティヤ>と<カティヤー>

<ขัตติยะ>กับ<ขัตติยา >

前のほうは2010513日に赤服集会で狙撃されて亡くなったカティヤ・サワディポン少将で次は彼の一人娘であるカティヤー・サワディポン弁護士である。名前の最後が短母音と長母音という違いだけで面白い名づけ方もあるものだなと思ってタイの友人に聞いてみると、それほど珍しくもないということで短母音のカティヤは男の名前でカティヤーと長母音になると女の名前になるということである。
おそらくカティヤ少将は目の中に入れても痛くないほどに一人娘を可愛がっていたのだろう。父親は赤服を応援して娘は黄色の集会に参加していたということである。

カティヤ少将の履歴を見ていると軍人になってからチュラーロンコーン大学教育学部、シーパトム大学法学士、ニダー・ビジネススクール社会開発学部修士、ラムカムヘーン大学経済学士、フィリピンの大学の経営学部博士と軍とは関係のないような勉強ばかりをしている。いったい軍人生活と学生生活をどのように両立させたのか不思議なところである。カティヤ少将にとってラーチャプラソンの赤服集会はお祭りではなかったのかという気がする。集会場にはいろいろな店が出ていて小さい頃に絶対行ったはずであるお寺の祭りを思い出していたのではないだろうか。そして悲しいことにカティヤ少将が狙撃されて祭りは終わり、新しくテロとの闘いが始まったということだろう。おそらくバンコク住民にはお寺の祭りに行くような余裕はなくなりタイはタイではないようになっていくのだろう。

カティヤ少将のニックネームはセート・デーンである。セートはセーナティガーン(参謀)から来ていてデーンは赤であるが、日本のマスコミにあるように「赤の参謀」ではなく彼の生れたときからのニックネームが一般的なデーンなので「デーン参謀」と訳したほうがいいという気がする。


2011/07/26

<タムルアット マクアテート トマト警官>と<タハーン テングモー スイカ軍人 >

<ตำรวจ มะเขือเทศ>กับ<ทหาร แตงโม>
  
2010年3月から5月まで続いた赤服の抗議集会を取り締まる緊急対策指揮本部の命令に対してギアーをニュートラルにして動きが止まってしまった警官と軍人が出始めた。そのうえに緊急対策指揮本部の情報がこれらの警官や軍人から赤服側に漏れていたということである。トマト警官とは赤服シンパの警官のことで
すいかは表面が緑色で軍服で中が赤いので、これも赤服シンパの軍人のことをいうようである。軍では階級が上の軍人には浸透していないようだが、警察では階級が上の警官まで浸透しているということである。
ちなみにトマトとすいか以外にもドリアンとパイナップルがあり、これらは表面は緑色だが中は黄色なので黄服シンパということになる。


2011/07/24

<大・中選挙区>と<小選挙区>

<เขตใหญ่เรียงเบอร์>กับ<เขตเดียวเบอร์เดียว>


1997年の民主的憲法と呼ばれる憲法の下でおこなわれた2005年の下院選挙は、1地区あたり1議員という小選挙区制度でおこなわれタクシン元首相が率いるタイ愛国党が500議席のうちの375議席を獲得してタイ政治史上ではじめての1党で過半数以上の議席を獲得できる政党が出現した。

2007年に改正された憲法をもとにおこなわれた最新の2007年の下院議員選挙は中選挙区でおこなわれた。ひとつの県で1議員を選出したラノーン、サムットソンクラーム、シンブリー、トラートからバンコクでは36議員を選出している。バンコクの場合は12地区に分け1地区あたり3議員なので平均すると1地区あたり3議員を選ぶ中選挙区制度になる。

タイ愛国党が勝利したのは票の買収がおこなわれたと考える層により、票の買収ができにくくなる中選挙区制度に変わったわけだが、これは選挙区が広くなり選挙人が多くなると買収する額が増えて買収が少なくなるという発想だと思う。たとえば下院議員選挙ではないがバンコク都知事選でみると、もし2000万バーツという買収資金があり1票あたり200バーツで買収すると10万票を獲得できることになる。しかしバンコクの当選票数は約100万票なので買収しても仕方がないことになる。極端な例になったがいずれのせよ小選挙区で選挙人が少ないと票の買収が簡単になるという数字をもとにした主張で選挙のたびに票の売買がおこなわれる貧困、教育という視点が欠けた主張だと思う。

2011/07/19

<仏法救済協会>or<公正な救済協会>

<มูลนิธิธรรมรักษ์>


先日、友人と市場で待ち合わせていると市場内の空き地に一人の僧侶が腰をかけその周りには人だかりがあった。どこかで見たことがあるお坊さんだなと見ていると、その人は以前に2度ほど行ったことがあるロッブリー県にあるプラバートナムプ寺のアロンゴット住職だった。以前に住んでいた街でも住職のビラを見たことがあるし、今回も駐車してあったバイクのかごにのっているビラには気づいていた。どうして各地を回っておられるのか不思議に思い調べてみるとやはりこの時勢で寄付金が集まらず自身で各地を回っておられるようだ。お布施をするとぼくの手に触れながらお経を読んでくださった。朝のお布施でもお坊さんのお経を聞いていると安らぐという気がするのだが仏とは安らぎのことかもという気がしている。

プラバートナムプ寺の中にある仏法救済協会では18年前から行き所のないエイズ患者を引き取り治療を施しエイズで両親をなくした孤児を引き取って育っている。この寺にいるエイズ患者とエイズ孤児は約2千人で月々にかかる費用が300万バーツで政府からは1ヶ月10万バーツの援助しかなく、信者からの寄付に頼っていたが、それも経済の落ち込みで1ヶ月20万バーツそこそこに減り住職は毎週のようにバンコクや地方へ寄付を募る托鉢にでかけているということである。ちなみにアロンゴット住職はオーストラリアの大学の工学修士号をとっているがエイズ患者を救うために寺に入ったということである。


2011/07/17

<いじめっ子>と<いじめられっ子>

<ผู้รังแก>กับ <ผู้ถูกรังแก>

日本では多くのいじめが多くの人を傷つけていると思う。緩やかな国タイでは、そのようなことは少ないと思っていたが、4年前の統計ではいじめられる子供の数は日本についで2番目であるということである。
日本では60%の子供がいじめにあっていてタイは40%で2番目になり英国とアメリカが20-25%で続いている。これはバンコクだけの統計で地方ではこんなはずはないのではと願っていたが、この統計はバンコク、ノンタブリー、ロッブリー、チョンブリー、コーンケーン、ソンクラー、チェンマイの先生1,300人と小学4年から中学2年までの3,047人を対象とした統計である。

いじめ社会では<いじめっ子>と<いじめられっ子>以外に<ผู้เชียร์=応援する子>と<ธระไม่ใช่=見てみぬふりをする子>がいるようだ。


2011/07/16

【ハイソー=high society】

ไฮโซ

ハイソーは上流社会という意味だけだと思っていたが、そうでもないようで上流社会という以外にも高級な、上級な、水準を越えている、といろいろな使いようがあるようである。
งานการกุศลคืนนี้มีแต่พวกลูกหลานไฮโซ 「今夜のチャリティーパーティーは上流社会の子供たちばかりだ」となると上流社会という意味になるが、กระเป๋าใบนี้ดูไฮโซมากแต่ราคาไม่แพง 「このかばんはハイソーのように見えるが値段は高くない」となると高級な、上級なという意味になる。
またรายงานชิ้นนี้ไฮโซจริงๆยังกับเปเปิ้อร์วิจัยแน่ะ「この報告は研究報告としては水準を越えている」となると水準、標準を越えているという使い方になる。

インターネットでハイソーを見ているとダルニー・グリットブンヤーライという人が出てきて、この人はOishiグループをはじめ各種の事業に参加してテレビ、映画にも出たことがある人で10年間にでた社交パーティーは2000-5000回というタイでは有名なハイソーのようである。しかし出身が東北地方のノーンカーイで両親はベトナムと中国系ということである。この人も言うように「私は成り上がりのハイソーでタイでの本当のハイソーは王族の子孫でなかれば」ということである。



2011/07/09

【マンゴーシャワー】

ฝนชะช่อมะม่วง=フォンチャチョーマムアン
  
1月下旬で雨が2日間も降っている。真ちゃんはペッチャブーンのナムナーオ国立公園の近くの山のそばに住んでいて雨は3日続けて降っているようで真ちゃんは家にいるのが我慢できず外に出て行き雨に打たれまた風邪を引いたようで病院から電話があった。

これまでの経験では4月のソンクラーン頃に少し降り、5月か6月くらいから雨季に入るという模様だったと思うのだが、このような季節外れの雨をマンゴーシャワーと呼ぶと聞いたことがある。でもあまり季節外れの雨がなかったのかマンゴーシャワーという言葉をタイ語でも英語でも聞いたことがない。友達に聞くとあまり使わないが言うときもある。とわけの分からないような返事で、じゃ1月に続けて降る雨はなんというのかと聞くとฝนตกนอกฤดูกาลと季節外れの雨で当たっていた。

富田先生の辞書によるとマンゴウ(先生はマンゴーと引っ張らない)の小さなつぼみがかたまってでるのはまだ乾季の終わらぬ1ー3頃であるが、そのころにしょぼ降る小ぬか雨はマンゴウのつぼみを洗い一夜ごとに実がふくらんでいく。日本人にとって暖かい春雨のようにタイの人にとっては4月末から5月にかけて成熟する美味はマンゴウを期待する雨である。ついでに面白いことわざが載っていたので書いておく。
ฝนจะตก ขี้จะแตก คนจะตาย พระจะสึก 雨が降り、糞が出、人が死に、坊さんが還俗する。
この4つはいずれも自然な現象で誰も制止はできぬ。