2011/09/29

 <ไปค์>หรือ<ไปป์>

<パイク><パイプ>

まずはおおくのタイの人は生まれたときに両親がつける名前の他にニックネームもつけてもらうということをタイを良く知っている人なら分かっていると思う。スパセーク・アモンチャット君(9才)にもニックネームがもちろんあるわけだが、英字紙にはPipeとなっていたりタイ字紙もPipePikeに分かれていて混乱していた。選挙期間中は母親のそばにいて母親の魅力をさらに引き立てていたパイク君は母親の勝利に大きく貢献したことはタイの人々も認めることである。11日に小学校で開かれた母の日の記念行事でパイク君から贈り物を送られたときには母親はうっすらと涙を浮かべていたということである。この時パイク君が書いた母親への手紙は次のとおりである。

"ถึงคุณแม่ ไปค์ขอให้คุณแม่สำเร็จในสิ่งที่คุณแม่หวัง ขอให้คุณแม่สุขภาพแข็งแรง ไปค์รักคุณแม่มาก รักที่สุดในโลกและขอให้มีความสุขครับ ลูกไปค์"
お母さんへ、パイクはお母さんが願っていることが叶うことを祈っています。健康には気をつけて幸せになってください。世界で一番愛するお母さんへパイクより。

ニックネームについては新聞記者が直接パイク君に聞いたようで「パイクという名前は魚の一種でPikeだよ」ということである。この一家のニックネームはすべてPから始まっていて父親のアヌソーン・アモンチャット氏はPOPで母親はPUことジンラク・チナワット第28代タイ国首相である。ジンラク首相の課題は重く亡霊に振り回され続けたこの5年間の人々の痛みを母親の視点からどのように癒すことができるのか、そして6,700万人の国民をどこに連れていくのかということだと思う。


2011/09/27

<司法クーデター>

<รัฐประหารตุลาการ>

この一週間は政治が動き始めいろんなニュースがあったがタイ字紙で一番話題になったのはタクシン元首相の日本入国だと思う。「日本、中国、アセアン経済文化研究会」からの招待で8月月末に日本を訪れることになったタクシン元首相に日本政府がビザを発給したことは違法であり、タクシン元首相の日本入国を容認するかという日本政府の問い合わせにそれは日本が決めることだと答えたスラポン外相をタクシン元首相を助ける閣僚だと野党になった民主党は攻撃を始めているようである。またアピシット前首相によるとタクシン元首相はインターポールの犯罪人リストにも載っていて日本政府は逮捕すべきだと主張したが、次の日には警察も外務省もインターポールの犯罪人リストにはタクシン元首相の名前がないし載ったこともないということで民主党の口だけで行動がないという事実が確認されただけに終わった。

もともと判決が出た事件と審議が中断している事件を含めてすべては司法クーデターによるタクシン元首相を標的にした陰謀以外の何者でもなく、それを民主党は利用してタクシン元首相=犯罪人という虚像を作り上げ赤狩りそして魔女裁判をやっただけのことで政権が変われば無効になったと各国も判断するのは常識でドイツ、フィンランドはタクシン元首相を入国拒否する政策を変更させ日本もそれにならったということだけである。

この状況に合わせたかのように中東の1都市ドバイに住んでいたタクシン元首相には羽が生えたようでドイツに飛んでいき今はカンボジアか中国に寄り道をして8月22日には日本へ降り立つようである。タクシン元首相はタイのことを心配して何とか役に立ちたいということで貿易投資交渉の特別大使になり世界を駆け巡りたいようである。それによりタイにとっては年間2,500億バーツの貿易投資が増えるということである。


2011/09/22

<チナワッット>と<チナワットダムロン>

<ชินวัตร>กับ<ชินวัตดำรงค์>
  
ブリラム県で催されたナーイヤイことタクシン元首相の62才の誕生日では、ブリラム県で有名なクメールの占い師が現れナーイヤイタクシンの名の方はいいが姓の方はくたびれ損の一生になるのでチナワットの最後にある読まないロールアを省いてダムロンを付け足すといい名前になりタイへの帰国が早期に実現できるということである。

2006年のクーデター以来、海外に住むことを余儀なくさせられているナーイヤイタクシンの誕生日を見ると2007726日の58才の誕生日はロンドンに来たタイラックタイの党員たちと賑やかな誕生日を迎えている。20082月初旬に裁判を受けるために帰国したときの空港でタイに帰れた感激から空港ロビーでいきなりひざまずきタイの土に感謝をする(写真)。その年の59才の誕生日はタイの習慣通り家族とともに僧侶への布施をして午後はパランプラチャーチョンという名前に変わった党員たちがお祝いに駆けつけた。それから何ヶ月も立たないうちにナーイヤイタクシンは中国で開催されるオリンピック式典に参加するという名目で裁判所からの許可を得て出国したままになる。2009年の60才の誕生日はそれ以来住むことになるアラブ首長国連邦のドバイで家族だけで静かに迎える。2010年はスリランカにある1,000年の歴史がある古刹で誕生日を迎える。そして今年2011年の62才の誕生日は、タイの各地で催された赤服による祝賀会とは反対にヨーロッパの寺院で家族だけで祝ったということである。

そしてヨーロッパの国ではドイツが一番にタクシン元首相を入国させないという規制を解除したようである。タクシン元首相の法律顧問であるノパドン元外相によると入国拒否という規制はアピシット政権の誤った情報ででていたものでこれからも他の国での規制が解除されていくということである。


2011/09/21

<臨時措置布告>

<คำสั่งมาตราการชั่วคราว>
  
オランダのハーグにある国際司法裁判所はタイとカンボジアの国境紛争で臨時措置に関する布告をだした。これはあくまで臨時措置で判決ではないようである。カンボジアが要求している1962年に同じく国際司法裁判所がだしたプレアビヒアをカンボジア側だとする判決の解釈については何ヶ月か先になるようで、それにより国境線が決まるのかそれとも裁判所は解釈をしないのかまだ決まっていないようである。布告は臨時措置が4項目で一般的な布告が3項目あるようである。

臨時措置布告

1,分水嶺から測ってタイ側に8.5、カンボジア側に8.8の全体で17.3が非武装地帯になる。

2,カンボジアは自由にプレアビヒアへ行き来することが出来、タイは邪魔してはならない。

3,アセアンの枠内での協力とアセアンからの監視団を認める。

4,タイとカンボジアの関係が悪化するいかなる行動もこれを排除する。

一般的な布告

1,国際司法裁判所はカンボジアからの訴訟を継続して審議する。

2,両国は臨時措置布告の実施状況を国際司法裁判所に報告する。

3,新しい事実と異議がある場合は国際司法裁判所に対して再審議を要求することができる。


さて大切な非武装地帯からの両国軍の撤退であるが、タイ側は監視団を含めた3者会談で撤退時期を決めるとしていてフンセン首相も同じような考えで会議の主催はカンボジアがやってもいいと言っているようである。いずれにしても会議はタイ側の外相と国防相が決まってからになると思うが、フンセン首相をマフィア呼ばわりしたパンタミット枠のガシット元外相がいなくなって会談はよりやりやすくなったと思うがどうであろうか。ガシット元外相は先日パンタミットと共に国際空港2ヶ所を占拠した罪状で検事局に告訴されたようで、この裁判に出席していたガシット元外相はタイに帰ってきてさっそく警察に報告に行ったようである。タイのマスコミでのこの人の評価は2年余りの任期の前半を外務省の力で各国に圧力をかけタクシン元首相を追い回し後半はカンボジアとの争いに明け暮れただけというおかしな外相ということである。

写真は国境の地図で青線がカンボジアが主張する国境線。
赤線がタイが主張する国境線。
橙線が非武装地帯である。


2011/09/18

<少年 少女>と<ミスター ミス>

<ด.ช. ด.ญ.>กับ<นาย. นางสาว.>

法律の改正により710日から始まったタイの人たちが所持するIDカードは15才から作っていたのを7才から作るようになったようである。IDカードの名前の前につく敬称は7才から14才までが少年、少女で15才になるとミスター、ミスになるようである。ただ女性に限り結婚して籍を変えるとミセスになるであるがそれがいやで結婚をしても籍を変えないひとが多いと聞いたことがある。大切なIDカードでもし所持していないのが見つかった場合は200バーツの罰金を課せられるということである。しかし多くの子供たちは母親に預けておくので罰金はないようである。

7才から14才の子供たちは800万人いるようでかかる費用は人件費を除いても2億バーツ以上ということで反対の声も上がっているようだが大部分のタイの人たちには受け入れられているようである。それに子供たちは大人が持っているものに憧れるので喜んでいるようである。これまでは子供たちが国のサービス等を受ける場合は出生証明書か住民票を示す必要があったのが1枚のカードになり便利になったということである。では国と子供たちにどのような利点をもたらすのか内務省管理局の説明によると次のようである。

1,国民の情報を管理することでの国の安定
2,他人の権利を侵害する行為を防げる
3,医療、教育等の国のサービスを受けるのが便利になる

さて一番心配なのは孤児になった等の理由で<เด็กเร่ร่อน>と呼ばれるストリートチルドレンになる子供たちであるが反対にIDカードを作る機会がなく国のサービスを受ける権利がなくなるのではという点については管理局は各自治体や協力機関の助けを借りてくまなく子供たちのIDカードを作ると言っているがどうなるのであろうか。

IDカードのことを調べていて気づいたのは識別に用いる13桁の数字には国籍の取得手順や登録地区の情報が収まっているということであるがタイの人たちはこの数字を使って大好きな占いをやっているようである。写真は1943年から使われた第一世代のIDカードでバンコクだけで使われていたようである。


2011/09/14

<先に剥奪>か<後で剥奪>

<สอยก่อน>หรือ<สอยหลัง>
  
国会議員の認証において選挙委員会は委員会の審議で剥奪するか、それとも認証した後に裁判所で剥奪するのかということで先か後がで混乱しているようである。本来の意味は<สอย ソーイ>と読んで竹竿で果実を摘みとることをいうようで<สอยดาว ソーイダーオ>となると竹竿で星をもぎ取るという意味になる。チャンタブリーにはソーイダーオ山があり何年も前になるがこの山のそばを車で通ったときに一緒に乗っていたタイの人がこの山の頂上では竹竿を使って星がとれると聞いたときはきれいな名前の山だなと思ったことがある。タイトルのソーイを剥奪としたのは議員資格に関してのことだからである。

選挙委員会による当選議員残り142人の審査が手間取っているのはジャムロン氏を中心としたパンタミット勢力が選挙結果に不服を唱えていて選挙委員会は慎重になっているということである。パンタミットは今回の選挙をVote Noという方針のもとに棄権投票を呼びかけていたがそれほど効果がなかったのか、今回の選挙は国を買収する選挙で主な6政党の解党を狙う戦術に変えたようである。有権者の75%が投票した選挙を無効だとする戦術はまともな人には相手にされないだろうが、まともでないパンタミットなので選挙委員会は恐れているようである。

2006年のパンタミットによる反タクシン集会はクーデターのきっかけになったのが然り、2008年の首相府占拠から各地の空港占拠然り、この時のスワナプーム空港を占拠した影響は計り知れないのに占拠したパンタミットの裁判は続いているのかいまだに判決は出ていない。この空港占拠についてパンタミットは占拠ではなく空港で集会を開いていると空港側が勝手に空港を閉鎖したということである。パンタミットの考えは保守で勢力と支持基盤を見ると一介の右翼団体にしか見えないのだがどのような力が背景にあるのか疑問である。


2011/09/12

<民主主義制度外の権力>か<見えない権力>

<อำนาจนอกระบบ>หรือ<มือที่มองไม่เห็น>

選挙も無事終わり1週間以上が過ぎたにもかかわらず選挙委員会が500人の当選議員のうち358人しか認証しないのは、2006年のクーデター以降の5年間に何度も出てきた亡霊のような権力が動き出し選挙委員会の認証が遅れているというのが多くの国民の考えである。選挙期間中の噂では選挙委員会が民主党を勝たせるためにプアタイ党当選議員のうち2325人にレッドカードが出されるというのが事実になるとすればプアタイ党当選議員265人の過半数でもっての連立構想が無くなる可能性も出てくる。選挙委員会の認証が遅れているのは選挙違反についての異議があり周到に検討しているという意見もあるが、では選挙委員会にどのような異議が出ているのか分かっているだけ羅列してみた。

1,เครือข่ายต่อต้านทุจริตคอร์รัปชั่นแห่งชาติ
  国家不正汚職摘発グループによるプアタイ党への異議
2,เครือข่ายพลเมืองอาสาปกป้องแผ่นดิน
  志願して国を守る市民グループによるジャトゥポン氏への異議
3,パンタミットの中心人物ジャムローン氏による各政党への異議申立て


これらは見える権力でこれ以上の見えない権力とは何なのか、また選挙結果と国民の意思に反してまで守ろうとする権力はどのようなものなのか、特殊階級、特権階級が財産と名声を維持したいのか、それとも何度もあったことだが交通事故等で人を死なせても特権階級は訴えれないという影響力を維持したいのか、マスコミもそろそろ<見えない権力>などという書き方を改めてはっきりと国民和解というロードマップに載せるべきという気がする。

まだ認証されていない議員の中にはジンラック首相とアピシット前首相もいてもしジンラック首相が認証されないときはタイで初めての女性首相も消え失せ女性首相の誕生を歓迎した各国元首を失望させやはりタイはアメージング・タイランドだと思われるだけではすまないような気がする。


2011/09/10

<ヤーマー>と<ヤーバー>

<ยาม้า>กับ<ยาบ้า>
  
どちらも麻薬のことでアンフェタミンから作る覚醒剤である。元々は<ยาขยัน ヤーカヤン>と呼ばれ勤勉薬ということで徹夜で仕事や勉強をする人のイメージで使われていたが、長距離トラックを運転する運転手や肉体労働者が馬力が出るというイメージから<ヤーマー 馬薬>に変わったようである。しかし力が出るというイメージでは中毒者が増えるということで時のチャワリット政権のサノー・ティエントーン内務大臣は気狂いになる薬なら中毒者も減るのではということで<ヤーバー 気狂い薬>という呼び名に変えたということである。

この名のとおり気が狂うようで9日にはバンコク都内のクリーニング店で店主夫婦の2歳の子供が薬で酩酊状態になった従業員の男(47)にナイフで刺され死亡したというなんとも言えない悲惨なニュースがあった。犯人が重罪になるのはモチロンのことだがこのような事件がなんども過去にありヤーバーが地方にも蔓延しているというのはここ何年かニュースになっていたはずなのになんら有効な措置もとらなかった民主党政権で治安担当大臣であったステープ・トゥアックスバン副首相の責任は大きいと思う。<パオバーン パオムアン>
家を燃やし街を燃やしたと連日のように叫び続け赤服グループを攻撃しただけで国民が一番重大に考えている麻薬問題を野放したこの人のおかげで民主党は選挙に負けたのだろう。

選挙後に行われたアサムプション大学のエーベックポールで国民は新政権に何をやってもらいたがっているかの順位は次のとおりである。

1,麻薬撲滅
2,和解をして平安無事な国になる
3,ガソリン価格を下げる
4,30バーツで医療が受けられる制度の復活
5,最低賃金1日300バーツの実現

※ 写真はヤーバーがタイに入ってくる経路である。