タイという熱帯国はもの成りのいい国でコメというものは、土地があり水があればモミを撒けばできてくるものだと考えられていたと思う。これまでの政府もコメの価額と買い上げ方をどうするかという政策はやってきたが、米を作る人たちすなわち農民、土地、水、コメの種類等については真剣には取り組んで来なかったと思う。ここに来て農地確保の政策立法を始めようとしているようだが手遅れという説もある。調査によると高級ホテルに適した土地を始めとして大規模農地までが違法な隠し名義人を使って外国人に買われていて、その規模は国土の3分の1にもなるということである。違法な隠し名義人を使った土地の購入には次のような方法があるということである。
1,結婚したタイ国籍の人に土地を購入して維持させて外国人のものとする
2,タイ国籍の人に土地を買ってもらい、その人から土地を借りる契約を作り外国人のものとする
3,タイ法人会社を作りタイ国籍の人に株を所有してもらうが実際は外国人のものとする
また、このもの成りのいい国でのコメの面積あたりの収穫量を見てみると459kg/1ライ(面積の単位は1ライが1,600㎡)で、たとえばアメリカの1,270kg、韓国1,216kg、ベトナム836kg、インドネシア799kg、ビルマ653kg、ラオス576kgフィリピン574kg、カンボジア453kgでタイはカンボジアとほぼ同じである。カンボジアもまたもの成りのいい国で稲穂が出るころに田んぼに立つと稲穂が大きくなる音が聞こえると言われているほどである。面積あたりの収穫量が増えることは面積あたりに使う費用が減ることになり、農民の収入が増えていくことにつながることを考えると政府はモミの買取価額と買い上げの方法の改良だけではなく、もっと基本的なことから時間をかけて農民のことを考えないと、今年のコメの輸出が600-700万トンと昨年の900-1,000万トンより大幅に減っていくという数字に現れてくるようにいずれはコメ輸出量第1位の地位をベトナムに譲り渡すのも遠い未来ではないだろう。
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