<恩赦法>か<和解法>
5月1日に開かれたプアタイ党の会議にはタクシン元首相もスカイプを使って海外から参加した。この会議において一番話題になったのは8月から始まる国会の一般定例会期に提出されるであろうチャローム・ユーバムルン副首相の<和解法>だろう。チャローム版<和解法>の特徴は2549年のクーデター以降に起こった各種の事件で罪になった人と罪になるであろう人のすべてを帳消しにして、現在の抗争、混乱を一気に解決して国民すべての団結に持って行こうとする法案である。裁判で有罪になった罪、裁判が続いている罪、裁判になるであろう罪がすべて帳消しになるということなのだが、どのような罪があるのか一番大きいのはアピシット民主党党首とステープ民主党下院議員が告訴されている99人の死者に対する「故意に他者に殺人をさせた罪」であろう。次はパンタミット114人が起訴されている空港と政府官邸を占拠した罪とノーポーチョーの24人が起訴されている2553年の集会での罪である。そして問題になるのはタクシン元首相の罪と国が没収した460億バーツのタクシン元首相の財産である。
スカイプで参加したタクシン元首相はこの<和解法>を上策であると認めながらも昨年のソンティ・ブンヤラットクリン下院議員が提出した<和解法>と同じように国会内外での騒乱を引き起こし一般定例会期での議決を待っている2020年タイランド法、憲法改正法、2557年度予算法、恩赦法等のプアタイ党にとって重要な法案が影響を受けるのを恐れて時期尚早として反対しているようである。
ではプアタイ党の会議にスカイプで参加するタクシン元首相は未だにプアタイ党の陰の党首であるのかという疑問については、反対する民主党からはインラック首相は相変わらずタクシン元首相のダミーであるという意見が出ているが、プアタイ党の考えではタクシン首相は犯罪者でもなんでもなくプアタイ党の長老なのだから意見を出すのは当然という考えだろう。結局は見解の違いであってクーデターで追放されクーデター権力により起訴され有罪になったタクシン元首相は何ら悪いことをしていないのだという見解と民主党のようにクーデターは民主主義の一手段だとする見解の違いだろう。
またタクシン元首相は憲法改正法を始めとした重要法案が憲法裁判所の規則外の判断で止まった場合はには、プアタイ党員全員は覚悟を決めて国会解散をすべきだという意見のようである。そして解散して選挙をした場合325議席という下院での絶対多数を目標とするということである。
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